お墓を建てようと思った時、何をどのように進めたらよいのか迷う人は多いと思います。
お墓を建てるのは、多くの人にとって一生に一度のことであり、また子孫へ受け継いでいく大切な財産でもあります。
それだけに、お墓を建てるに当たっては、失敗しないように、何をどのように進めたらよいか予め知っておくことが重要です。
ここでは、お墓を建てる時の手順と注意点についてご紹介します。
目次
お墓を建てる時の手順
1.家族とよく相談する
新しいお墓を建てようと考えている場合、まず先に行うべきことは、家族や親族に相談することです。
お墓は、家族や親族が集まる場であり、建てるのは自分であっても、自分が亡くなった後にお墓を管理し守っていくのは、遺された家族や親族だからです。
お墓を建てる場所を決め購入予約までしたのに、家族に相談せずに墓探しをしたために、最後の最後に反対されてすべて白紙に戻ったというケースもあります。
家族との相談では、「お墓を建てることについてどう思うか」「お墓の承継者をどうするか」「お墓を建てる時の費用はどうするのか」「家族の希望」などについて相談すると良いでしょう。
2.情報の収集と検討
家族と相談して合意を得たら、次に行うべきことは情報収集です。
公営墓地
公営墓地に関する情報は、各自治体のホームぺージ・広報紙・窓口などで入手できます。公営墓地は、立地の良さや料金的にも手頃などの理由で、人気が高い墓地です。
しかし、都心に近い場所では抽選が採用されていて、募集期間も限られているほか、その地域に一定年以上継続して居住しているなど、公営墓地ごとに条件があります。
遺骨があることが条件になっているところもありますので、事前に調べておくことが必要です。
民営墓地
民営墓地は、インターネット、新聞の折り込み広告、電車の車内広告、タウン誌などお墓関連の雑誌の記事や広告などから情報を集めます。
遠方の墓地を探すならインターネットが便利ですが、近隣の墓地なら地元に根付いたタウン誌などの紙媒体も役立ちます。
このほか、ちょっと敷居が高いかもしれませんが、石材店でも相談をしつつ情報を得られます。
3.墓地・霊園を見学に行く
希望の墓地が見つかったら、必ず現地に足を運んで見学するようにしましょう。
インターネットや広告などで得た情報によって「良い」と思っても、その通りであるとは限りません。また、実際に現地を見学することによって気が付くこともたくさんあるからです。
現地見学では、販売担当者からお墓や区画についての具体的説明が受けられるほか、いろいろ質問もできます。
見学にいった墓地の近くに別の墓地があれば、一緒に見学して比較してみましょう。
(注)現地見学に行く時は、電話やメールで予約しましょう。
中には、検討している間にすでに販売が終了していて、購入したくてもできない場合もあるかもしれないからです。
無駄足になり、突然訪問して販売担当者が不在で説明が受けられなかったということがないようにしましょう。
4.墓地・霊園を契約する
いくつか見学した墓地・霊園の中から、自分の希望に合ったところと契約書をかわします。
一般的には、「墓地使用申込書」を記入し、永代使用料、管理費などを支払い、必要な書類(戸籍謄本、住民票など)を提出すると、墓地使用契約が結ばれ、「永代使用承諾書(許可書)が発行されます。
(注)墓地使用申込書は、必ず契約前によく読み、不明な点がないようにしましょう。契約後に熟読しても意味がありません。
5.墓石の相見積りを取る
墓地が決まったら、石材店が取り扱っている墓石選びをします。
墓石を選ぶに当たっては、複数の石材店の相見積もりをとりましょう。
相見積もりを行うことで、概ねの相場が分かります。また、石材店の対応や説明を比較検討することにより、信頼できる石材店かどうかなども分かってきます。
墓石について漠然としたイメージしか無くても、石材店は3D図を用いて、墓石の形、石の種類、加工、彫刻などについて細かく相談して、完成予想図を添えて見積りしてくれます。ですから、小さな要望でも遠慮なく伝えることが大切です。
(注)寺院墓地や民営霊園では、墓地・霊園が指定した石材店(指定石材店)しか利用できないというケースもありますので注意しましょう。
6.石材店を選定する
相見積もりを取った石材店の中から、1社を選びます。
価格に重点を置いている人は、安いところを選びがちですが、お墓は一度建てると何十年も利用するものですので、信頼できそうな石材店かなど価格以外の要素も判断材料にして選ぶようにしましょう。
7.墓石を注文する
選定した石材店に墓石を注文し、墓石工事の契約をします。この段階で、手付金(内金)として、何割かを石材店に支払います。
8.墓石の製作
墓石の加工は、日本ではなく賃金の安い中国などの海外で行う石材店が一般的になっています。
中国産などの海外の石材を使うから海外で加工するというだけでなく、日本国産の石材を使用する場合でも、海外で加工することが多くなっています。
海外で加工された墓石は、船で日本に送られてきます。
9.墓石の据付工事
加工された石材は、石材店がお墓に据付工事します。据付工事は、天候にもよりますが数日もあれば完成します。
据付工事は、立ち合うことも可能です。立ち合いを希望する場合は、早めに石材店に伝えましょう。
10.墓石の完成・引き渡し
墓石が完成すると、引き渡しとなります。石材店にもよりますが、契約してから2~3ヵ月かかるのが一般的です。
引き渡しの際には、契約時にもらった図面や写真に基づきチェックし、仕上がりをきちんと確認しましょう。
確認して問題がなければ、墓石・据付工事代の残金を支払います。
残金を支払うと、「墓石の保証書」や「石材産地証明書」が発行されるのが一般的ですので、それらが発行されるかどうかも確認しましょう。