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病院で紹介された葬儀社の葬儀費用が高い理由と起こりえるトラブルとは?

病院で紹介された葬儀社トラブルQ

病院で紹介された葬儀社の葬儀費用が高い理由と起こりえるトラブルとは?

どこの葬儀社に葬儀を依頼するか、事前に決めている方は少ないものです。万が一の時を突然迎えた方はなおさらです。
病院で亡くなった場合、事前に葬儀社を決めていなかった方には、病院から葬儀社を紹介されることがあります。
病院から紹介される葬儀社とは、どんな葬儀社なのでしょうか。
葬儀を依頼するメリットやデメリットと併せて、病院から紹介される葬儀社にまつわるトラブルと、その対処方法や、病院で紹介された葬儀社の良し悪しを判断する方法についても解説します。
病院から故人を移動する搬送だけを入りした際に起こったトラブルと、その対処方法についてすぐに知りたい方は、「病院から紹介された葬儀社には、まずは搬送だけを依頼する」をご覧ください。
病院で紹介された葬儀社の良し悪しを判断する方法についてすぐに知りたい方は、「病院で紹介された葬儀社の良し悪しを判断する3つのポイント」をご覧ください。

病院から紹介される葬儀社は、価格やサービスで選ばれているわけではない

現在では、多くの方が最後の時を病院で迎えます。
厚生労働省の調査によると、亡くなる方の4人に3人が、病院で亡くなっていることが分かります。
病院に入院している方の家族は、いつか亡くなるということが分かっていながら、亡くなる準備をしていないのではないでしょうか。
危篤の状況になると、医師や看護師から、「葬儀社は、もう決めていますか」と言われて初めて、葬儀社を探し始める方がほとんどでしょう。

事前に葬儀社を決めていなかった家族に、医師や看護師が葬儀社を紹介することがあります。
病院から紹介される葬儀社は、病院と提携していたり、病院の近くにある葬儀社です。
そうした葬儀社は、病院内や病院そばで常に葬儀社のスタッフが待機しているため、家族にとって葬儀を依頼するメリットがあります。
一方で、病院はその葬儀社の価格やサービスを評価して、家族へ紹介しているわけではなく「提携しているから」「病院から近いから」紹介しているので、葬儀を依頼するデメリットもあります。

デメリット1
葬儀の費用が高くなる可能性がある

病院で紹介される葬儀社に葬儀を依頼するということは、葬儀社を探している余裕がなかったり、そもそも亡くなった後の事を考えたくなかったからでしょう。そのため、葬儀社についてはもちろん、葬儀についても知識がない状態です。
大切な方が亡くなったことによる動揺や、病院から移動を急かされることからくる焦りもあり、葬儀社が説明する内容が理解できないまま、葬儀を依頼することになります。
葬儀社もそうした状況を分かっているので、葬儀社によっては、葬儀の費用について細かく説明しないばかりか、見積もりを出さないこともあり、葬儀の費用は葬儀社の言い値で決まってしまいます。
葬儀を終えた後になって、高額な請求に驚くことにもなりかねません
また、病院と提携している葬儀社によっては、病院との提携に際して、病院に費用を支払っている場合があります。
そうした葬儀社は、葬儀費用に割高に設定しているケースもあります。

デメリット2
希望の葬儀ができない可能性がある

葬儀について考える余裕がない状態で、病院から紹介された葬儀社に葬儀を依頼することになるので、「家族だけで葬儀を行いたい」「故人らしく無宗教の葬儀で、会葬者に感謝の気持ちを伝えたい」などの具体的な葬儀の形式について、家族も考えが及んでいません。
本来であれば、葬儀社がご家族の希望を聞き出して、その家族にあった葬儀を提案しますが、病院から紹介された葬儀社は、サービスが評価されて選ばれているわけでなはいので、中にはヒアリングも行わずに、通り一遍の葬儀を行う葬儀社もあり、葬儀が終わって後悔したというケースもあります。

メリット
病院からすぐに移動できる

病院で亡くなると、病院から自宅や安置施設へ移動しなければなりません。これを、搬送と呼びます。
搬送には寝台車が必要になりますが、その車は葬儀社が手配します。
事前に葬儀社を決めておけば搬送はスムーズに進みますが、葬儀社を決めていなかった場合は、葬儀社を探すところから始めなければなりません。
大切な方が亡くなったばかりのタイミングで、葬儀社を探すのは難しいことです。
そんな場合は、病院から紹介された葬儀社に葬儀を依頼すれば、短時間で移動することができます。

容体が急変して亡くなった際に、医師や看護師から、「すぐに葬儀社に連絡して移動してください」と言われても、家族や親族が病院に駆けつけている場合は、事情を説明して待ってもらえないか交渉してみましょう。
病院によっては、受け入れてくれる場合があります。

病院から紹介された葬儀社には、まずは搬送だけを依頼する

病院から紹介された葬儀社には、葬儀の依頼ではなく、寝台車で故人を移動する、搬送だけを依頼することができます。
搬送だけを依頼することで、病院から移動した後に、予算に合った葬儀のプランを用意していたり、考えている葬儀の内容に合ったサービスを提供している葬儀社を探して、複数の葬儀社をピックアップして無料相談を利用することで、葬儀社を比較することができます。
比較した中から、葬儀を依頼する葬儀社を選ぶことがきたなら、納得して葬儀を終えることができるでしょう。
インターネットで葬儀社を探す場合に、良い葬儀社を選ぶ方法は、こちらをご覧ください。
しかし、そんな場合にも起こりうるトラブルがあります。

トラブル1
葬儀の依頼をしつこく勧誘する

しかし、病院から紹介された葬儀社の中には、搬送だけを依頼したにもかかわらず、葬儀まで依頼するよう、しつこく勧誘してくる葬儀社があります。
大切な方が亡くなったばかりで、精神的にも弱っている家族に、葬儀社が強引な勧誘を行うことに、公正取引員会は指導を行っています。
公正取引委員会がまとめた「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書の概要」に記載されている、葬儀社への指導の内容を紹介します。

葬儀業者は、病院から遺族の自宅までの遺体の搬送を請け負うために病院に出入りできる病院指定業者に指定された場合、当該葬儀業者は、病院から自宅までの遺体搬送と併せて、その後の葬儀サービスについても請け負うことができる可能性が高く、顧客を獲得することについて、他の葬儀業者よりも非常に有利な立場になる場合がある。
事業者アンケート調査によると、一部指定業者の中には、消費者に対し、病院から自宅までの遺体搬送サービスと併せて、その後の葬儀サービスについても、当該家族を霊安室に引き留め、説得するなどして、自己との取引を強制的に促すといった事例がみられた。
こうした行為は消費者の自主的な事業者選択の自由を侵害し、独占禁止法に違反するおそれのある行為であることから、事業者はこうした行為を行わないようすべきである。

これは、病院から紹介された葬儀社が、病院の霊安室で搬送だけでなく、葬儀まで依頼するように求めてきた事例です。
このような強引な勧誘をしてくる葬儀社には、搬送だけを依頼して、葬儀の依頼は断りましょう。

トラブル2
葬儀のキャンセル料金を請求される

このほかにも、全日本葬祭業協同組合連合会がまとめた、「葬儀業界の現状」には、搬送だけを依頼したにもかかわらず、葬儀のキャンセルを請求されたという、クレームがあったことが紹介されています。

病院より紹介された葬儀社に遺体搬送のみ依頼。
葬儀に関しては後でとの話で後に断ったところ、キャンセル料として7万円請求された。搬送料ドライアイス等料金は別途支払った。

葬儀社から見積もりをもらっても、契約ではありません。
葬儀社への依頼を断った場合、見積もりを渡したことを理由に、まるで契約したかのようにキャンセル料金を求めてくる葬儀社がありますが、支払う必要はありません。
契約書に署名した場合、キャンセル料が発生するという内容が書いてあっても、あまりにも高額なキャンセル料であれば、すぐに消費者センターに相談しましょう。

病院で紹介された葬儀社の良し悪しを判断する3つのポイント

病院で紹介された葬儀社に葬儀を依頼するメリット、デメリット、そして搬送だけを依頼した場合に起こりえるトラブルについて紹介しました。デメリットや、起こりえるトラブルのリスクが大きいと感じた方は、万が一の時に備えて、あらかじめ葬儀を依頼する葬儀社を探しておきましょう。
それでも、病院から紹介された葬儀社に葬儀を依頼せざるを得ない方もいることでしょう。
そうした方のために、病院から紹介された葬儀社の良し悪しを判断するポイントを紹介します。

葬儀費用の見積もりをもらう

多くの葬儀社は、葬儀を行う上で必要になる項目をまとめた葬儀プランを用意しています。
病院から紹介された葬儀社の葬儀プランの費用が、明瞭かどうかを判断するために、必ず見積もりをもらいましょう。
見積もりがあれば、おおよその葬儀費用が分かりますし、葬儀社の言い値で葬儀費用が請求されることを防ぐことができます。

分からないことは、納得いくまで質問する

葬儀を行ったことがない方にとって、葬儀を行う上で何が必要なのか、分かりにくいものです。
また、病院を出てから葬儀まで、どのような流れで、何をすればいいのかも、分からない方が多いのではないでしょうか。
葬儀プランの見積もりに含まれている項目で分からないこと、病院を出てから葬儀までの流れで分からないことがあれば、必ず質問しましょう。
葬儀社の回答の仕方によって、葬儀サービスへの姿勢が判断できます。

葬儀の要望を伝える

「身内だけで行う家族葬を行ってほしい」という故人の遺言があったり「入院の費用がかさんだので、葬儀費用をなるべく安く抑えたい」といった要望があれば、葬儀社に伝えましょう。
要望に合わせて葬儀の内容を提案してくるかどうかでも、家族に寄り添う葬儀社かどうかが判断できます。

病院で紹介された葬儀社に葬儀を依頼する場合は、メリットやデメリット、起こりうるトラブルを考慮したうえで、依頼しましょう。
万が一の時に備え、葬儀について考えたくはないものですが、デメリットやトラブルを回避したいという方は、事前に葬儀社を探しておくことをお勧めします。
参考:良い葬儀社の選び方(2)~「時間があるときの選び方」~

ABOUT ME
桑原 侑希
桑原 侑希 大手葬儀社にて、10年以上葬儀業に従事し約2000件の葬儀を行ってきました。葬儀のことは勿論、ご葬儀までの終活の相談や、葬儀が終わった後のご供養方法、各種手続きについての相談を受ける内に、その道のエキスパートに。皆さんの葬儀・終活にまつわる「なぜ?」にお答えします。
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