葬儀

良い葬儀社の選び方(2)
~「時間がある時の選び方」~

良い葬儀社の選び方(2)

良い葬儀社の選び方(2)
~「時間がある時の選び方」~

葬儀を執り行うに当たって、最初に決めなければならないのは葬儀社です。
しかし、人生で葬儀を執り行うのは、そうあることではないことから、知識も経験も少なく、いざとなると故人・遺族の希望にあった良い葬儀社をどのように探し、選んだらよいのか分からない人が多いのが現実です。
ご遺族は、突然の訃報に動揺していることも手伝い、葬儀社の良し悪しの判断もつかぬまま選んでしまい、後で後悔したといったケースは多くあります。
葬儀を行った経験のある遺族の48%が後悔したと回答している調査データもあります。
それだけに、良い葬儀社を選べるかどうかは、後悔のない葬儀を行う上でとても重要なことなのです。
そこで、良い葬儀社の選び方について説明します。
葬儀社の選び方を以下に分けて、ここでは2. ご逝去1週間以上前の「時間がある時の選び方」について解説します。

1.ご逝去前後の「時間がない時の選び方」
2.ご逝去1週間以上前の「時間がある時の選び方」

先に述べたように、ご遺族は突然の訃報に動揺していることも手伝い、葬儀社の良し悪しの判断もつかぬまま選んでしまい、後で後悔したといったケースは多くあります。
そうならないようにするためには、事前に良い葬儀社を選んでおくことです。
ですから、1.より2.の選び方をするのがお勧めです。

1.葬儀社選びを始める前の事前準備

葬儀社選びをする前に、どのような葬儀を行いたいのかをある程度まとめておくようにしましょう。
自分たちの希望・要望がないままに葬儀社と打ち合わせをすると、相手の言われるがままにさまざまなことを決めてしまい、後で後悔することになるかもしれないからです。しかし、葬儀の知識がないのに、事前にインターネットや本などで調べるのは時間がかかりますし、さまざまな情報の中から選択するのは迷ったり、混乱したりもします。
そこで、事前に十分な時間があるなら、複数の葬儀社で事前相談を行うようにし、各社の話を聞き、質問しながら希望する葬儀を決めていった方が良いと思います。
ですから、事前準備では、葬儀社との事前相談では、どのような相談をして、決めなければならないのかを知っておきましょう。
その主な項目、以下の通りです。

故人の遺志 遺言やエンディングノートを書いていないか?
冠婚葬祭互助会に加入し、葬儀の生前契約・予約をしていないか?
葬儀の規模 一般葬、家族葬、一日葬、直葬
葬儀の形式 宗教葬(宗教・宗派は?)、無宗教葬
安置場所 自宅、葬儀社の安置室、安置専用施設、火葬場
葬儀式場 公営式場、葬儀社の葬祭会館、寺院会館、貸式場
こだわり 遺影写真、思い出ビデオ放映、思い出コーナーの設置、副葬品
参列者の人数(予測) 故人の仕事関係・友人関係、喪主や遺族とつながりある人
大まかな予算 「多少お金がかかっても華やかに送りたい」
「一般的な予算にしたい」
「出来るだけこじんまりと、お金をかけずに行いたい」

2.事前相談する葬儀社候補を探す

まず、インターネットやタウンページなどで、葬儀を行う場所の近くにある葬儀社を探します。
インターネットで葬儀社を探す場合は、「地域名+葬儀社一覧」と検索すると、ホームページを持たないような昔ながらの葬儀社も検索されます。そのリストに、社名、所在地、連絡先が載っている場合が多くあります。
その他、菩提寺、近所の人、親族、友人・知人などからの紹介も候補にしても良いでしょう。ただし、複数の葬儀社を比較検討した方が良い葬儀社が見つかりますので、紹介してもらうと、おつきあい上、その葬儀社にお願いしなければならないような場合は気をつけましょう。
以下では、インターネットで検索して、ホームページを見て事前相談する葬儀社の候補を探す方法について説明します。
ホームページで良さそうな葬儀社を探すには、以下の点に着目するとよいでしょう。

葬儀の総額が
掲載されている
葬儀には、葬儀一式費用(葬儀社に支払い)のほか、接待・飲食費、宗教者への謝礼などの費用がかかります。
葬儀一式費用や葬儀プランの費用だけでなく、葬儀の総額が分かるようにしてあるかを確認します。
葬儀の実例が
掲載されている
これまでの葬儀の実例が豊富に掲載されていると、その葬儀社が提供するサービスがどのようなものかが分かります。
葬儀プラン以外の情報が
豊富に掲載されている
葬儀プラン以外の情報、例えば「葬儀の基礎知識」や「その地域特有の葬儀情報」などを多数掲載している葬儀社は、お客さんに役立つ良い情報を提供しようという視点を持った葬儀社が多いです。
社長やスタッフの顔が
掲載されている
葬儀社は、社員は社長一人で、葬儀の依頼があればその都度、臨時のスタッフを雇って葬儀を行ったり、外部の派遣会社に丸投げしたりするところも少なくありません。
ホームページに社長のほかスタッフの顔が載っているだけで安心感があります。
会社概要や所在地が
明記されている
葬儀社では、ホームページだけは立派というところもあります。
会社概要や所在地を確認できない場合は、実態のないブローカーという可能性もあります。

3.見積り・資料を電話で依頼する

ホームページなどを見て、良さそうな葬儀社にあたりがついたら、3社以上の葬儀社に電話をして、見積もりや、会社案内などの検討資料をメールや郵便で送ってもらいます。

1)見積り依頼

見積り依頼をすると、たいがいは以下の項目について聞かます。
・家(あるいは故人)の宗教・宗派
・葬儀には何人くらい参列者を呼ぶのか
・使いたい葬儀式場
これらは、見積もりに必要ですので応えられるようにしておきましょう。
ただし「使いたい葬儀式場」については良く分からない場合も多いでしょうから、電話をかける時に葬儀社と相談し、葬儀社が挙げた式場の中から、自分の希望に合った式場で見積ってもらいましょう。
あるいは、地域で一番よく使われている式場を聞いて、仮にそこを使うとして見積ってもらってもよいです。

2)電話応対によって葬儀社を選別する

見積り依頼時の電話応対も、葬儀社選びのポイントになります。
電話応対では「応対が親切で、しっかりしている」ことが判断のポイントです。
対応が誠実ではないと感じたらその葬儀社に見積もりを依頼するのは止めて、別の葬儀社に依頼してください。

3)会社案内等

電話応対が良かったら、見積もりをお願いし、会社案内なども同封してもらいましょう。
送られてきた見積り金額や同封されてきた資料の質などが葬儀社を選ぶ上で参考になります。
葬儀の進め方などをまとめた小冊子などを一緒に同封してくるところは、良い葬儀社の一つの判断材料となります。

4.良い葬儀社を見分けるためのチェックポイント

送られてきた見積り書や資料類の中から、よさそうな葬儀社をピッアップし、実際に出向いて葬儀の相談を行うようにします。
葬儀社に出向くことにより、パンフレッなどでは分らなかった会社の規模や会館の造り、担当者の人となりなどが分かるからです。
葬儀社に出向いたら、良い葬儀社かどうかを見分けるために、以下のようなところをチェックするようにしましょう。

1)葬儀費用の総額の見積もりを作成してくれる

葬儀費用で良くトラブルになるのは「見積りと実際にかかった費用が違う」ということです。
葬儀プランに含まれていない費用があったり、参列者の人数などによって飲食費などが変わったりするために起こることです。
ですから、そうした葬儀費用の内訳を説明してくれ、総額でいくらかかるのかの見積もりを作成してくれることが最低限のチェックポイントです。

2)要望やこだわりをじっくり聴いた上で提案してくれる

良心的な葬儀社であれば、葬儀の内容や費用などは、一般の人には葬儀の知識や経験がないことを理解して、分かりやすく説明してくれます。
説明した上で、家族はどういう要望やこだわりがあるのか、故人はどういう人柄かなどをじっくり聞いてくれて、その上で提案してくれるのが良い葬儀社です。
これに対して、家族の要望やこだわりはろくに聞かずに、専門用語を多用し、葬儀社が用意している葬儀プランを勧めてくるようなところには、用心しましょう。

3)祭壇などのサンプル画像が多い

その葬儀社の実力は、祭壇などのサンプル画像によって分かります。
サンプル画像が多ければ、それだけ数多くの葬儀を手掛けているということであり、いろいろなデザインの祭壇を造り上げる力があることを示しているからです。
そういう葬儀社は、祭壇のデザインや色使いを遺族の希望を反映したものにしてくれます。また、故人が好きだった花を探して飾ってくれるはずです。
祭壇のサンプル画像を1枚しか見せないような葬儀社は、遺族の要望にはこたえられない可能性が高いので、依頼しない方が賢明です。

4)スタッフの対応が丁寧

葬儀は人的サービスであり、人の良し悪しによって葬儀の良し悪しも違ってきます。
「こちらからの質問に対して丁寧に答えてくれる」
「スタッフからの提案も親身になってくれている」
「礼儀正しく言葉使いも丁寧で好感がもてる」
などが葬儀の満足度にも直結しますので、これらのこともチェックポイントのひとつとしましょう。

5)アフターサービスが充実している

葬儀では、葬儀そのものより、むしろ葬儀後のことが大変と言われたりもします。
四十九日、初盆、1周忌などの法事、死後の諸手続き、仏壇やお墓のことなど、行わなければならないことがたくさんあるからです。
これらのことについても情報提供をし、きちんと相談にのってくれる葬儀社であるかどうかもチェックポイントのひとつです。

5.葬祭会館を訪問した時のチェックポイント

葬儀社に葬儀の相談に出向く時、自社で葬祭会館を所有しているところでは、そこで葬儀相談を受け付けているところも多くなっています。
葬祭会館を訪問した時、あるいは葬祭会館を見学しに行った時は、次の場所も良い葬儀社を見分けるためのチェックポイントになります。

1)安置室

ご遺体を安置する部屋は、式場など葬祭会館の他の設備に比べるとほとんど目立たない存在です。しかし、故人と遺族が最後の時間を過ごすとても大切な場所です。
葬祭会館を訪問した際は、安置室を見せてもらい、「遺族が快適に過ごせるか」をチェックしましょう。

2)トイレ

トイレが汚い葬儀社は、仕事も雑で気遣いに欠ける傾向にあると言われます。
葬祭会館を訪問した時は、たとえ尿意をもよおしていなくても、トイレを借りてチェックしましょう。

ABOUT ME
桑原 侑希
桑原 侑希 大手葬儀社にて、10年以上葬儀業に従事し約2000件の葬儀を行ってきました。葬儀のことは勿論、ご葬儀までの終活の相談や、葬儀が終わった後のご供養方法、各種手続きについての相談を受ける内に、その道のエキスパートに。皆さんの葬儀・終活にまつわる「なぜ?」にお答えします。
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