葬儀

家族葬は本当に安いのか?
家族葬より費用を抑える方法を紹介

家族葬より実質負担額を抑える方法

家族葬は本当に安いのか?
家族葬より実質負担額を抑える方法を紹介

家族葬は、費用を安く抑えられると思う方は、多いのではないでしょうか。
じつは、多くの方が参列する葬儀に比べて、家族葬のほうが、実質負担額が割高になる場合もあります。
その理由を、葬儀社に支払う費用と、参列者からいただく香典総額の関係から読み解き、家族葬よりも実質負担額を抑える方法を紹介します。
すぐに、家族葬よりも実質負担額を抑える方法を知りたい方は「香典の受け取り額によっては、葬儀費用をまかなえる場合も!」をご覧ください。

家族葬が選ばれる3つの理由

家族葬とは、家族や親族のほか、故人の友人など、生前に親しく付き合っていた方たちで送る葬儀のかたちです。
1990年代頃に登場した家族葬は都市圏を中心に広まり、今ではスタンダードなお見送りとして定着しています。
そして、家族葬が選ばれる理由として、以下が挙げられます。

参列者への配慮から

故人が高齢だったり、生前にお付き合いのあった方も亡くなっていたり、高齢で参列が難しかったりすると、参列者への配慮から、選ばれる場合があります。

葬儀の過ごし方を考えて

また、故人とのお別れの時間を親しい人とだけでゆっくり過ごしたい、葬儀中の食事などのおもてなしや、香典返しの用意など、参列者への対応が面倒だから、といった理由で選ばれる場合もあります。

葬儀費用を安く抑えたいから

葬儀社が用意するプランの中では、火葬だけで見送る直葬の次に、家族葬の費用は安く設定されています。
そのため、少しでも費用を抑えたいという理由で選ばれる場合もあります。

家族葬が費用を安く抑えられる2つの理由

家族葬の費用が安く抑えられる理由として、以下の2つがあります。

参列者の人数が少ないから

家族葬の場合、参列者は家族や親族となります。
もし、それ以外の方にお声がけをしたとしても、故人様と所縁のあった親しい友人の方々数人と考えられるので、概ね30名以内と想定されます。
一般葬と呼ばれる、近所の方や会社関係の方も参列する葬儀と比べても、お通夜の後にふるまう通夜料理や告別式後の精進料理や、参列者全員にお渡しする、会葬返礼品・会葬礼状の数は少なくなるので、葬儀費用を安く抑えられます。

人数に応じた広さの式場や祭壇を用意するから

葬儀式場によっては、収容人数によって部屋の広さと費用が変わる場合があります。
参列者の人数が少なければ部屋も小さくて済むので、その分費用を安く抑えられます。
また葬儀社が用意するプランでは、葬儀の規模に合わせて祭壇を用意します。
家族葬のプランでは、規模の小さいシンプルな祭壇が設定されているので、その分費用を安く抑えられます。

香典の受け取り額によっては、葬儀費用をまかなえる場合も!

葬儀社が提示する、葬儀プランの価格だけを見れば、確かに家族葬は安く抑えることができます。
しかし、葬儀では参列者から頂く、香典があります。
参列者が増えれば増えるほど、受け取る香典が多くなるため、一般葬と呼ばれる、近所の方や会社関係の方も参列する葬儀のほうが香典の総額は高くなります。
その結果、受け取った香典で、葬儀費用の大半を支払える場合もあります。

家族葬と一般葬の費用の比較

まずは、家族葬と一般葬を仏教のしきたりに則って行う費用で比較してみましょう。
家族葬の費用は、表1にあるように148万937円です。
一方、一般葬の費用は、表2にあるように253万997円となっています。
この金額の差は、先ほども紹介した、料理や飲み物、会葬返礼品の数や、花祭壇のサイズの違いによるものです。

家族葬と一般葬の費用の比較家族葬と一般葬の費用の比較

家族葬と一般葬の香典総額の比較

それでは、参列者から頂く香典総額は、家族葬と一般葬でどのくらい差があるのでしょうか。
家族葬に参列する方は、家族や親族が中心なので、表3にあるように102万円となります。
一般葬では、参列する方が同じ人数でも、香典の総額は異なります。
その理由は、参列する方の内訳が異なるからです。
故人が現役の会社員だった場合は、会社関係の方の参列が多くなります。
故人が退職した後だったり、会社に勤めていなかった方の場合は、近所の方の参列が多くなります。
香典の相場は、会社関係の方の場合は1万円、近所の方の場合は5000円だとすると、会社関係の方の参列が多いほど、香典の総額も多くなります。
試算の結果、故人が現役の会社員だった場合の香典の総額は、表4のように218万円になります。また、故人が退職した後だったり、会社に勤めていなかった方の場合は178万円となります。
このように、参列者の人数が同じだとしても、故人がどのような方だったのかによって参列者の内訳も変わり、香典の総額も変わるのです。

家族葬と一般葬の香典総額の比較家族葬と一般葬の香典総額の比較

家族葬と一般葬の実質負担額の比較

最後に、葬儀社に支払う葬儀費用と、香典総額を差し引いた実質負担額を比較してみましょう。

家族葬と一般葬の実質負担額の比較家族葬と一般葬の実質負担額の比較

家族葬は費用を安く抑えることができる、という考えに間違いはありません。
ただし、葬儀では参列者から頂く香典を、葬儀費用の支払いに充てることができます。
故人がどのような方なのかによって参列者の内訳が変わり、それによって受け取る香典総額が変わります。
その結果、家族の実質負担額は、家族葬よりも一般葬が低く抑えられる場合があるということを、お分かりいただけたでしょうか。

葬儀を行うさいに、費用はとても気になるところです。もし、故人が長く入院生活や介護が必要だった場合は、なおさらでしょうす。
ですが、ご紹介したとおり、一般葬であっても、参列者から頂く香典で、葬儀費用の多くをまかなえる場合もあります。
また、葬儀は家族にとって精神的にも肉体的にも負担の大きいものです。
家族や親族、故人と親しかった友人だけで見送る家族葬は、そうした家族の負担をやわらげる事ができるかもしれませんが、一方で、最後に故人とお別れをしたかったという、近所の方や会社関係の方がいることも、忘れてはいけません。
葬儀社が提示する葬儀プランの価格だけではなく、故人だったら最後に誰とお別れをしたいだろうかということも考えた上で、今一度、葬儀のかたちを選んでみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
桑原 侑希
桑原 侑希 大手葬儀社にて、10年以上葬儀業に従事し約2000件の葬儀を行ってきました。葬儀のことは勿論、ご葬儀までの終活の相談や、葬儀が終わった後のご供養方法、各種手続きについての相談を受ける内に、その道のエキスパートに。皆さんの葬儀・終活にまつわる「なぜ?」にお答えします。
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