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どう伝える? 忌中・喪中のイベント参加の断り方

喪中・忌中のイベント参加・・・断りたい

3月は送別会・4月は歓迎会やお花見、6月は結婚式と、春先は人が集まるイベントが増える時期です。ですが、大切な方を亡くした忌中・喪中の時には賑やかなイベントに参加する気分になれなくて、参加を断りたいと思う事はありませんか?そんなときの、気持ちの伝え方をまとめてみました。

喪中・忌中とは

近親者が亡くなった場合、死を悼む期間のことを「忌服(きふく)」や「服喪(ふくも)」と言います。
「忌中」は亡くなった日から仏式では四十九日、神式では五十日、キリスト教であれば一か月後の召天記念日または五十日祭まで、「喪中」は宗派を問わず一年間とされる事が多いようです。
親族が亡くなった時、どこまでの続柄を喪中・忌中と考えるべきでしょうか?
一般的には2親等までが喪中になるとされますが、3親等以降は喪に服してはいけないというわけではなく、同居している親族が亡くなった場合など、縁が深い親族なら親等に関わらず喪に服してもよいと考えられます。

喪中・忌中の過ごし方

喪中・忌中の期間は故人の冥福を祈り、晴れがましいことや派手な行動は控えます。
具体的には、以下の行動がやってはいけないと考えられます。

喪中・忌中の過ごし方は、古くから受け継がれている伝統的な習わし(慣習(かんしゅう))です。そのため、地域や宗教・年代によって考え方が変わります。(慣習は法律や野球のルールと違って、誰にとっても正解が1つではないという事です。)

最近は、慣習も柔軟に考えて行動する人が増えてきた

最近では喪中・忌中の過ごし方も変わってきています。
亡くなった人が生前楽しみにしていたお祝い事や遺族にとって大事な行事であれば、亡くなった人もお許しになるだろうと柔軟に考える風潮にあり、忌中期間(四十九日)を過ぎれば参加するという方もいます。

そのイベント、喪中・忌中を理由に断って大丈夫?

喪中期間にあたる約1年間は、大切な方が亡くなって気持ちも不安定になります。
例えば、3月の送別会には、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝えたくて出席したけれど、4月の歓迎会は月命日(毎月の亡くなった同日)が日に近くて、イベントに参加する気分になれないというケースも。
喪中・忌中を理由にお断りする事は失礼ではありませんが、やはり個人都合なので「喪中だから参加できません。」の一言で一方的に断った、という印象を残さないよう、心遣いがあるといいでしょう。

伝え方のポイントは?

伝え方のポイントは、「相談」する事です。
上司や幹事の方に以下のように、切り出してみましょう。
相談された方がうまく取り計らってくれるかもしれませんし、もし断れない雰囲気でも、顔を出して早めに帰らせてもらうなどの対応がとりやすくなります。

基本的には口頭で相談するのがベストですが、状況によってはメールなどでイベント参加の返答をしなければならないこともあるでしょう、その際には以下の文例を参考にしてください。
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〇〇のお誘いありがとうございます。
私事ですが、先日〇〇が亡くなりました。
自身としてもまだ気持ちの整理がつかず、家族も気落ちしているのでそばについていてあげればと思っています。
不参加となると、失礼・ご迷惑でしょうか。日頃お世話になっている方々との行事なので迷っており、相談させていただきました。
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まずは、誘ってくれたことのお礼を伝え、その後に、個人的都合で申し訳ないけど、心情的に参加を控えたいという気持ちが伝わるように、相談してみましょう。

喪中・忌中に結婚式(その他お祝い事)参加して大丈夫?

慣習では、お祝い事は控えたほうが良いとされています。
しかし、最近は立場や状況によって臨機応変に対応する方がほとんどで、忌中(四十九日)を過ぎれば参加する方が多いようです。
参加を決めた場合も、主催者によっては喪中・忌中を気にする方もいます。特に、結婚式は両家のご家族に対して気遣いが必要なので、事前に事情を伝えて主催者のお考えに応じて対応すると良いでしょう。

結婚式(その他お祝い事) 招待状をもらったイベントの断り方

歓送迎会やお花見なら今回参加を断っても次の機会がありますが、結婚式や祝賀会などの祝いの席は、相手にとって一生に一度の特別なイベントです。
招待状を送ったその人は、あなたと一緒にその日を祝いたいという思いがあってのご招待です。前述のとおり、喪中・忌中期間である事を主催者にお伝えし、それでもご出席をお願いされた場合、どのようにお断りするとよいでしょうか?

招待状の返信はがきを送る前なら

招待状が届いてから、一週間程を目安に連絡をします。まずは、結婚が決まった事のお祝いの気持ちを伝えましょう。そして、喪中・忌中期間である事。自分自身が大切な身内を亡くして気持ちの整理がついていない事。結婚式は両家のご家族で慣習に対するお考えが違う事もあると聞くので、万が一 自分の事で迷惑をかけてしまわないように今回は参加を辞退したい事を正直に伝えます。
口頭で了解を得た場合も、返信ハガキは必ず送ります。返信ハガキには欠席理由を明確に記載せずに送りましょう。

出席の返事をした後なら

結婚式はお料理や席の配置の関係もあり、人数の確定はとても重要です。
出席の返事をしていたのに欠席する場合は、すぐに連絡をしましょう。
伝え方は、返信はがきを送る前と同じです。喪中・忌中といった不祝儀の場合、理由は明確に伝えないほうが良いとする方もいますが、一方的に断ったという印象が残らないようにするには、事情を正直に伝えて相談するほうが無難ではないかと思います。

欠席の場合にもお祝いの気持ちは形にしよう

欠席の場合も、お祝いをお渡しするのがマナーとなります。その際は、お花など会場内に名前入りでお飾りするものではなく、ご祝儀など当人に直接お渡しするものがふさわしいです。タイミングは結婚式の前に手渡しや現金書留にて贈りましょう。
ご祝儀の額は、欠席を伝えた時期を目安に考えます。
料理や引き出物のキャンセルが可能な時期に欠席を伝えた場合 → 「もし出席していたら包んでいた金額の半額程度」
料理や引き出物のキャンセル料が発生する時期に欠席を伝えた場合 →「もし出席していたら包んでいた金額」

大切な人が亡くなった時、その人の冥福を祈るのは誰しもの想いです。喪中・忌中のふるまいもその想いが起源と考えて、慣習を上手く取り入れると良いでしょう。
気持ちの整理がつかない時に無理をしてイベントに参加する必要はありませんが、周囲の人も喪中・忌中の考えはそれぞれだという事を忘れずに、相手に自分の気持ちを伝えて、相談してみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
桑原 侑希
桑原 侑希 大手葬儀社にて、10年以上葬儀業に従事し約2000件の葬儀を行ってきました。葬儀のことは勿論、ご葬儀までの終活の相談や、葬儀が終わった後のご供養方法、各種手続きについての相談を受ける内に、その道のエキスパートに。皆さんの葬儀・終活にまつわる「なぜ?」にお答えします。
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