マナー

【年末年始】喪中・忌中の過ごし方|やってはいけないこと

喪中・忌中はどう過ごせばいいの?

突然ですが、日々生活していると色々な行事がありますよね。

・クリスマスやお正月など、季節の行事
・入学式・卒業式や忘年会など、学校・会社の行事。
・結婚式など、お祝い事
・初詣やお葬式など、宗教的な行事
・お誕生日や旅行など、家族の行事

そんな行事に、喪中・忌中の時には主催や参加をしてもよいか迷いませんか?

「いざ、自分がその立場になると やってはいけないことが、分からない」
「周りの人に聞いてみても、人によって言うことが違うから、どうしたらいいのか不安」
「自分はあまり気にしないけど、親族などから指摘を受けないようにしておきたい」

喪中・忌中の過ごし方は、古くから受け継がれている伝統的な習わし(慣習(かんしゅう))です。そのため、地域や宗教・年代によって考え方が変わります。(慣習は法律や野球のルールと違って、誰にとっても正解が1つではないという事です。)
だから、喪中・忌中について周りの人に聞いてみても言うことが違って当たり前で、最後は慣習をふまえつつも、自分はどうすれば後悔しないかを決めないといけません。

今回はそんな時に参考にして欲しい、以下のヒントをご紹介します。

・喪中・忌中にやってはいけない 基本的なことは?
・色々な行事の意味合いと、一般的な喪中・忌中の過ごし方

喪中・忌中の期間や続き柄の範囲について知りたい

喪中・忌中にやってはいけないこと

一般的な慣習として喪中・忌中には、故人の冥福を祈り、お祝い事や派手な行動は控えます。
具体的には、以下の行動がやってはいけないと考えられます。(詳しい理由は、後述にて)
・神社への参拝は控える。
・結婚式などのお祝いの席に参加すること。
・旅行などの遊興。
しかし、最近では喪中・忌中の過ごし方も変わってきています。亡くなった人が生前楽しみにしていたお祝い事や遺族にとって大事な行事であれば、亡くなった人もお許しになるだろうと柔軟に考える風潮にあり、忌中期間(四十九日)を過ぎれば参加するという方もいます。

ポイント:
「喪中・忌中って、堅苦しい慣習だなぁ」そう感じてしまいますよね。でも、大切な人が亡くなった時、その人の冥福を祈るのは誰しもの想いです。そんな想いが起源なら、自分事として身近に思えませえんか?
「慣習だから、絶対やってはいけない」と行動を制限するのではなく、亡くなった人を思い悼む気持ちでその行事に参加するかどうかを考え、参加する場合も喪中・忌中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になります。

各行事参加の検討ポイント

各行事の意味合いを考慮して、参加検討のポイントをまとめました。
ポイントをまとめるにあたり、父を亡くした時の以下個人的な対応も参考にしています。

・神社への参拝は控えました。(忌中期間(四十九日まで)は、会社行事の参拝も辞退しました)
・父が亡くなる前に招待を受けていた従兄の結婚式は、忌中でしたが家族で出席しました。
父も生前に招待されており、結婚式の出席する事を励みにリハビリをしていたので。従兄や従兄の両親と相談をして決めました。
・旅行の予定はキャンセルしました。喪中だから取りやめたというより、父を亡くしたばかりで旅行に行っても心から楽しめないと思ったからです。
・歓送迎会や忘新年会は参加しました。社会人としてオフィシャルなイベントであり、お世話になった方へ日頃の感謝をお伝えする機会と考えました。そういった行事はアルコールが入る賑やかなイベントなので、羽目を外すことがないよう慎みを持って参加しました。
・結婚式やイベントに参加する前には父の遺影写真に「今日は〇〇行ってくるね~」と声をかけ、帰ってくれば「ただいま~」とその日の報告をしていました。

結婚式(その他お祝い事)

お祝い事は、控えたほうが良いとされています。
しかし、最近は立場や状況によって臨機応変に対応する方がほとんどです。
・自分が主催者の場合
・招待状を発送している場合:
招待客がその日のためにスケジュールを調整してくれている事も考慮して、予定どおり結婚式を行う事が多いようです。
結婚式中に喪中・忌中である事に一切触れないのも不自然なので、披露宴の開式前など出席者が一堂に会したところで、喪中・忌中の報告とその期間であっても結婚式を挙げる事の両家の気持ちを、司会者や新郎・新婦から一言伝えると、出席者も主催者と同じ気持ちで結婚式を過ごす事が出来ます。さらに、亡くなった方と新郎新婦が一緒に写っている写真などを式場に飾ると、主催者の悼む気持ちが伝わります。

・招待状を発送していない場合:
両家お互いの気持ちを考慮して相談します。
結婚式の日程変更をすると、式場などのキャンセル料が発生する場合もあります。日程を変更する以外にも、家族だけ内輪で集まって予定どおり結婚式を挙げるなどの方法もあります。
結婚式場の担当の方は、過去の事例も踏まえて相談に応じてくれるので頼りになります。

・神前式を予定している場合:
神前式とは、神社や神殿で行う神道のしきたりに則った挙式スタイルです。
神道では『死』を「穢れ(けがれ)」と捉え、喪中・忌中期間は神社への参拝は控えるようにと考えます。
喪中・忌中の「けがれ」とは不浄なものを退くという意味合いより、大切な方を亡くした家族は「気が枯れる(けがれ)」状況であり、そのような大変な時は神へ祈りをささげるより故人の冥福を祈り過ごしなさいという意味合いで考えて、柔軟に対応してくれる神社もあります。
神前式を依頼した神社によって考え方や対処方法が変わるので、式の前に式場担当者を介して相談しておきましょう。

・自分が招待客の場合:
お祝い事なので一般的には控えたほうが良いとされていますが、最近では忌中(四十九日)を過ぎれば参加する方が多いようです。主催者の方のお気持ちもあるので、相談すると良いでしょう。
お祝いに参加しない場合も、お祝いをお渡しするのがマナーとなります。その際は、お花など会場内に名前入りでお飾りするものではなく、ご祝儀など当人に直接お渡しするものがふさわしいです。

お葬式

一般的には、お葬式は喪中・忌中期間でも参列しても差し支えないと考えます。しかし、地域によっては参列してはいけない風習もあるので、他地域の葬儀に参列する場合などは、可能であれば確認しましょう。
確認できない場合や自身が参列してはいけない地域にお住まいの場合は、供花や弔電をお送りし、頼めるようであれば参列予定の方にお香典を託しお供え頂くと良いでしょう。そして、参列できないお詫びとご自身の地域では喪中に葬儀へ参列する事が失礼に当たる事をお手紙などでお伝えし、喪が明けた後にご弔問されると丁寧です。

旅行

江戸時代からの服喪の風習・しきたりなどを明治7年に出された太政官布告の中で規定した際に、その中で遊興は控える旨の取り決めがありました。(昭和22年に廃止)そこから、現在でも旅行(=遊興)は避けたほうがよいとされています。
旅行に関しては、杓子定規に喪中・忌中だから控えると決めずに、亡くなった人を思い悼む気持ちでその行事に参加するかどうかを考え、参加する場合も喪中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になり後悔がないのではと思います。
ただし、周囲の人の理解を得る事は重要です。旅行に行くと決めた場合は誤解を招かないよう、自分の気持ちを伝える心遣いがあると良いでしょう。

厄年の厄払い・厄除け

厄年とは、災いにあいやすく忌み慎むべきとされる年齢です。
厄年の厄払い・厄除けは、厄年に入る前に行うのがよいといわれています。
一般的には、昔は立春を新しい年の始まりとしているので、元旦から節分の前までに厄払いをする事が多いようですが、時期の決まりはありません。また、地域の風習で厄払いの日が決まっている事もあるので、ご自身の地域の神社や菩提寺に尋ねてみると良いでしょう。
・神社で厄払いを行う場合
神道では『死』を「穢れ(けがれ)」と捉え、喪中・忌中期間は神社への参拝は控えるようにと考えます。
しかし、喪中・忌中の「けがれ」とは不浄なものを退くという意味合いうより、大切な方を亡くした家族は「気が枯れる(けがれ)」状況であり、そのような大変な時は神へ祈りをささげるより故人の冥福を祈り過ごしなさいという意味合いで考える神社もあります。神社によって考え方や対処方法が変わるので、相談するとよいでしょう。
・お寺で厄除けを行う場合
仏教には「穢れ」の考えはないので、喪中・忌中であっても厄除けができます。
ただし、浄土真宗のお寺さんは、そもそも、厄年という考え方がないので厄除けを行っていません。行きたいお寺で厄除けをやってくれるか、調べてみましょう。

お墓参り

お墓参りは、喪中・忌中でもお参りができます。
喪中・忌中には初詣やお正月の行事を控えるので、その代わり年末のお墓参りを大切にされる方もいます。その際にお墓に松を飾る事は控えますが、年末にお墓の掃除を済ませてご先祖様が新年をきれいなお墓で迎えられるようにと、お参りをします。

12月

忘年会・クリスマス

キリスト教には、クリスマスや新年のお祝いを控える習慣はありません。
喪中・忌中の場合派手な行動は控えたほうが良いと考えますが、忘年会やクリスマスパーティはお世話になった方へのご挨拶の機会でもあり、個人の判断で決める事になるでしょう。
忘年会やクリスマスパーティなど、アルコールが入る賑やかな席です。参加する場合も喪中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になり後悔がないのではと思います。

お歳暮

お歳暮は日頃お世話になっている方へのお礼であり、お祝い事ではないので贈っても差し支えありません。
ただし、喪中・忌中の方がお歳暮を贈る場合は、香典返しを贈る時期と重なってしまうと先方の方が混乱するので、お香典返しの後にお届けすると良いでしょう。その際、お香典返しを待つとお歳暮の時期を過ぎてしまう場合は、松の内が明けた1月7日以降(地域によっては1月15日)に寒中見舞いとしてご用意します。
品物には紅白の水引はかけず、白無地の奉書紙か無地の短冊を使って表書きは「お歳暮」(寒中見舞)とします。お歳暮を購入したお店の方にご相談すれば、ご用意いただけます。

年越しそば

年越しそばは、大晦日12月31日に「健康長寿」や「家運長命」を祈って食べるようになったのが起源と言われています。
お祝い事ではないので、年越しそばは食べても大丈夫です。

1月

お正月

お正月は、その年の豊穣(ほうじょう)を司る歳神様(としがみさま)をお迎えし、お祝いする行事です。喪中・忌中の場合、お祝い事は控えたほうがよいと考えるため、歳神様をお迎えするための、門松やしめ飾り、鏡餅は用意をしません。
また、最近はお店におせち料理を予約して準備する方もいます。おせちやお雑煮はお正月の祝い膳なので、お重からお皿にお料理を盛りつけなおして、普段の食事として召し上がると良いでしょう。

初詣

・神社に初詣
神道では『死』を「穢れ(けがれ)」と捉え、喪中・忌中期間は神社への参拝は控えるようにと考えます。
しかし、喪中・忌中の「けがれ」とは不浄なものを退くという意味合いうより、大切な方を亡くした家族は「気が枯れる(けがれ)」状況であり、そのような大変な時は神へ祈りをささげるより故人の冥福を祈り過ごしなさいという意味合いで考える神社もあります。神社によって考え方や対処方法が変わるので、相談するとよいでしょう。

・お寺に初詣
仏教には「穢れ」の考えはないので、喪中・忌中であってもお参りができます。
ただし、元旦の初詣は行わないお寺さんもあるので、事前に確認しておきましょう。

年賀状

日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて新年を祝いご挨拶するのが、年賀状です。喪中・忌中の場合は、喪中はがきや寒中見舞いで年賀欠礼のご挨拶をします。

参考
喪中はがきいつまでだせる?

お年玉

お年玉の由来は、歳神様からの賜りもので新年に授かる「魂」を意味し、歳神様に備えた鏡餅を下げて年少者に分け与えたのが始まりとされています。
新年を祝うお祝い事なので控えたほうが良いと言えますが、近年では儀礼的な意味合いが薄れ、親族からのお小遣いの感覚で渡されていることが多いので、楽しみにしているお子様に何かしてあげたいなという場合は、表書きを「お小遣い」や「文具代」として渡す方もいます。

年始回り・新年会

年始回りとは、新年のあいさつのために年長のご親戚や知人の家々を回る事です。祝いのご挨拶なので控えたほうが良いと考えます。
しかし、ビジネスにおける年始回りは日頃の感謝をお伝えする機会ととらえて対応される方がほとんどです。特に、会社代表が亡くなった場合などは、代表が変わってもしっかりと経営が引き継がれている事を印象づける機会となるので、ご挨拶を欠かさないと良いでしょう。
年始回りや新年会は、アルコールが入る賑やかな席です。参加する場合も喪中・忌中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になり後悔がないのではと思います。

成人の日(成人式)

成人の日(成人式)は国民の祝日の1つで、おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます趣旨で、1948年に設けられました。
お祝い事なので控えるべきとの考えもありますが、その子にとっては一生に一度の行事であり、亡くなった方も楽しみにしていただろうと、通常どおり参加する方が多いようです。その際には、亡くなった方に手を合わせるなどして、成人の日を迎えた事を報告してはどうでしょうか?
亡くなった方もその子の成長を喜んでくれますし、成人の日を迎えた子にもおとなになった事の自覚をもつきっかけになるかもしれません。

2月

節分・恵方巻

節分は立春の前日の「節分」に 季節の変わり目に生じる邪気(鬼)を追い払う儀式として、豆まきを行ったり、柊鰯(ひいらぎいわし)という、魔よけを飾ったりします。
恵方巻は、その年の福を司る神様・歳徳神(としとくじん)のいる方角=恵方を向いて、太巻き寿司を一本まるごと食べることで無病息災や商売繁盛の運を頂くと考えられ、関西地方の習慣が全国にひろまったといわれています。
節分はお祝い事ではなく、宗教行事とも関係がないので、喪中・忌中でも行って大丈夫です。

3月

お彼岸(春分の日)

お彼岸は春と秋の年2回行われます。この時期は昼と夜の日の長さがほぼ同じとなるので、あの世とこの世の距離が最も近くなると考えられ、また、春分の日は自然をたたえ 生物をいつくしむことという意味があり、先祖を敬いお墓参りに行くようになりました。
お彼岸は亡くなった方だけの供養ではなく、全てのご先祖様を偲ぶ行事のため、喪中・忌中でも行って大丈夫です。

ひな祭り

ひな祭りは、江戸時代から女の子の行事として一般的に祝われるようになったといわれています。雛人形や桃の花を飾り、ひなあられや白酒などをお供えして、女の子の健やかな成長を願います。
子供の成長を願う意味合いを込めた行事なので、喪中・忌中でも身内でひな祭りを行う方多いようです。

卒業式・謝恩会

卒業式は、日本では、学校教育法施行規則によって定められた学校行事です。
「卒業おめでとう」とご挨拶する祝いの行事ではありますが、卒業式はその人やその家族にとって、人生の節目となる行事のため、喪中・忌中でも参加して大丈夫です。
卒業式の後に、謝恩会が開かれる場合があります。先生も招待される会が多いので、喪中・忌中でも、恩師に感謝の意を伝えるためにも参加をするようです。
謝恩会はアルコールが入る賑やかな席です。参加する場合も喪中・忌中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になり後悔がないのではと思います。

4月

イースター(復活祭)

イースターは、十字架にかけられて亡くなったキリストが、その3日目に復活したことを祝う「復活祭」です。日本では、まだあまり広まっていませんが、宗教的に意味のある日で、海外のキリスト教圏の国では大事な日とされています。イースターは、「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と定められ、イースターエッグやイースターバニーを飾って、家族で集まりごちそうを食べてお祝いをします。
キリスト教には忌中・喪中の考えはなく、お祝いを控える習慣はありません。イースターに招待された場合、参加しても先方に失礼に当たることもありません。

入学式・入社式・歓迎会

入学式・入社式は、祝いの行事ではありますが、その人やその家族にとって、人生の節目となる行事のため、喪中・忌中でも参加して大丈夫です。

5月・6月

こどもの日(端午の節句)

端午の節句とも呼ばれ、鎧兜や5月人形を飾るので男の子の行事というイメージがありますが、昭和の時代に国民の祝日として「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」と制定されました。
子供の成長を願う意味合いを込めた行事なので、喪中・忌中でも身内で子供の日を行う方多いようです。

母の日・父の日

母の日は世界各国にあり由来もさまざまですが、日本の母の日はアメリカから伝わった風習で、日頃の母の苦労を労り、母への感謝を表す日です。父の日は、母の日にならってはじまりました。
どちらも感謝を伝える行事で、喪中・忌中でも行って大丈夫です。
特に、配偶者を亡くした親を励ます意味で、母の日や父の日を一緒に過ごすと良いでしょう。

7月・8月

お中元

お中元は日頃お世話になっている方へのお礼であり、お祝い事ではないので贈っても差し支えありません。
ただし、喪中・忌中の方がお中元を贈る場合は、香典返しを贈る時期と重なってしまうと先方の方が混乱するので、お香典返しの後にお届けすると良いでしょう。お中元は地域によって時期が変わりますが、7月初旬から8月15日頃の約1か月間が目安です。
時期を過ぎてしまう場合は、立秋までは「暑中お見舞い」立秋を過ぎた場合は「残暑お見舞い」いとしてご用意します。
品物には紅白の水引はかけず、白無地の奉書紙か無地の短冊を使って表書きは「お中元」(暑中見舞い・残暑見舞い)とします。お中元を購入したお店の方にご相談すれば、ご用意いただけます。

お盆・お墓参り

お盆は地方や宗派によって風習が異なりますが、お盆の時期にはご先祖様が浄土から地上に戻ってくると考えられおり、ご先祖様を家にお迎えし、ひと時を一緒に過ごし、お見送りをして、先祖の霊を供養する行事で、喪中・忌中にも行います。
亡くなった方を初めて迎えるお盆を、「新盆(初盆)」と言いますが、忌中(四十九日)が明けてから初めて迎えるお盆の事が、新盆(初盆)となります。

夏祭り(盆踊り・花火大会)

日本の夏祭りはお盆や祇園祭など、亡くなった方を弔う行事を由来としているものが多いといわれています。ただし、最近では厳粛な儀礼行事というより賑やかな祭事の傾向が強くなっています。
喪中・忌中だから控えると決めずに、亡くなった人を思い悼む気持ちでその行事に参加するかどうかを考え、参加する場合も喪中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になり後悔がないのではと思います。
ただし、周囲の理解を得る事は重要です。
夏祭りに参加する場合は誤解を招かないよう、自分の気持ちを伝える心遣いがあると良いです。特に、持ち回りで町内(自治体)の役員を務めている場合は、夏祭りの企画・主催のお手伝いをする事もあります。喪中・忌中を理由に一方的に辞退すると、失礼な場合もあるので、上役の方などに相談の上で、判断するとよいでしょう。文末に相談の仕方をまとめましたので、ご参考ください。

暑中見舞い・残暑見舞い

暑中見舞いや残暑見舞いは、一年で最も暑い時期に相手の健康を気遣い、家に訪問したりはがきや贈り物を届けたりします。
暑中見舞い・残暑見舞いは季節のご挨拶なので、喪中・忌中でも出して良いと考えられます。

9月・10月

お彼岸(秋分の日)

お彼岸は春と秋の年2回行われます。この時期は昼と夜の日の長さがほぼ同じとなるので、あの世とこの世の距離が最も近くなると考えられ、また、秋分の日は祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶという意味があり、お墓参りに行くようになりました。
お彼岸は亡くなった方だけの供養ではなく、全てのご先祖様を偲ぶ行事のため、喪中・忌中でも行って大丈夫です。

敬老の日

敬老の日は国民の祝日の1つで、多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日です。
感謝を伝える行事で、喪中・忌中でも行って大丈夫です。特に、配偶者を亡くした祖父母を励ます意味で、敬老の日を一緒に過ごすと良いでしょう。

運動会・文化祭・遠足・修学旅行

運動会・文化祭・遠足・修学旅行は学校行事ですが、お子様が楽しみにしている行事なので、遊興にあたり、喪中・忌中には参加しないほうが良いのでは?と悩む方もいます。
学校行事は、集団生活の決まりや自主性を育み実践する場と考えられているので、参加して問題ありません。

ハロウィン

ハロウィンは、古代ケルト人が秋の収穫を祝い悪霊などを追い払う宗教的な意味合いのある行事が起源と考えられますが、現代では民間行事として定着し宗教的な意味合いはほとんどなくなっていると考えられます。
日本のハロウィンは独自の文化に発展し、仮装をしてパレードを行うなど華やかな行事です。喪中・忌中の場合派手な行動は控えたほうが良いと考えますが、参加する場合も喪中であることを自覚していれば、自ずと慎んだ行動になり後悔がないのではと思います。

11月

七五三

七五三は、7歳、5歳、3歳の子どもの成長を祝う日本の年中行事で、神社などで「七五三詣で」を行います。お祝い事なので控えるべきとの考えもありますが、その子にとっては節目となる行事であり、亡くなった方も楽しみにしていただろうと、通常どおり行う方が多いようです。
ただし、神道では『死』を「穢れ(けがれ)」と捉え、忌中期間は神社への参拝は控えるようにと考えます。喪中・忌中の「けがれ」とは不浄なものを退くという意味合いうより、大切な方を亡くした家族は「気が枯れる(けがれ)」状況であり、そのような大変な時は神へ祈りをささげるより故人の冥福を祈り過ごしなさいという意味合いで考える神社もあります。
七五三は、正式な日は11月15日とされますが、ご家族の都合に合わせて10月~12月に行われる事が多いようです。喪中・忌中のお参りについては、神社によって考え方や対処方法が変わるので、相談するとよいでしょう。

喪中・忌中はどう過ごせばいいの?

最後に喪中・忌中を理由に、参加を辞退する場合の伝え方です。
喪中・忌中でも参加して問題ない行事もありますが、やはり身内が亡くなってそんな気分になれない時もあります。
それも含めて喪中・忌中を理由にお断りする事は失礼ではありませんが、やはり個人都合なので、「喪中だから参加できません。」の一言で一方的に断った、という印象を残さないよう、心遣いがあるといいでしょう。

伝え方のポイントは、「相談」する事です。上司や幹事の方に以下のように、切り出してみましょう。
「喪中・忌中でまだ気持ちの整理がつかず、〇〇(行事)に参加できる心情ではないのですが、どうしたらよいでしょうか」
「妻(夫)の義母が亡くなって喪中・忌中ですが妻(夫)が気落ちしており、そばについていてあげたいのですが、よろしいでしょうか」

相談された方がうまく取り計らってくれるかもしれませんし、もし断れない雰囲気でも、顔を出して早めに帰らせてもらうなどの対応がとりやすくなります。

基本的には口頭で断るのがベストですが、状況によってはメールなどで返答しなければならないこともあるでしょう、
〇〇のお誘いありがとうございます。
私事ですが、先日〇〇が亡くなりました。
自身としてもまだ気持ちの整理がつかず、家族も気落ちしているのでそばについていてあげればと思っています。
不参加となると、失礼・ご迷惑でしょうか。日頃お世話になっている方々との行事なので迷っており、相談させていただきました。

誘ってくれたことのお礼・個人的都合で申し訳ないけど、心情的に参加を控えたい事が伝わるように、相談してみましょう。

ABOUT ME
桑原 侑希
桑原 侑希 大手葬儀社にて、10年以上葬儀業に従事し約2000件の葬儀を行ってきました。葬儀のことは勿論、ご葬儀までの終活の相談や、葬儀が終わった後のご供養方法、各種手続きについての相談を受ける内に、その道のエキスパートに。皆さんの葬儀・終活にまつわる「なぜ?」にお答えします。
お葬式ナビ
お葬式ナビで、あなたにぴったりな葬儀社を無料で探してみませんか。
▼詳細はこちら▼