喪中・忌中とは
近親者が亡くなった場合、死を悼む期間のことを「忌服(きふく)」や「服喪(ふくも)」と言います。
昔からの風習で、その期間は故人の冥福を祈り、晴れがましいことや派手な行動は控えるようにと考えられてきました。
普段なんとなく「喪中」や「忌中」という言葉を耳にする事がありますが、違いは忌服の期間です。
喪中・忌中期間はいつまで
喪中・忌中の起源は、明治7年に出された太政官布告にあるようです。これは、続柄に応じて喪中と忌中の期間を細かく定めています。
続柄 | 服(喪)日期間 | 忌日期間 |
父母 | 13ヶ月 | 50日 |
養父母 | 150日 | 30日 |
夫 | 13ヶ月 | 30日 |
妻 | 90日 | 20日 |
嫡子(息子) | 90日 | 20日 |
その他の子 | 90日 | 10日 |
兄弟姉妹 | 90日 | 20日 |
祖父母(父方) | 150日 | 30日 |
祖父母(母方) | 90日 | 30日 |
おじ・おば | 90日 | 20日 |
夫の父母 | 150日 | 30日 |
妻の父母 | なし | なし |
曾祖父母 | 90日 | 20日 |
出典: 太政官布告『忌服令』
この法令は昭和22年に撤廃されていますが、忌服の風習は残ったため、今もこの太政官布告の期間を目安にして、「忌中」は亡くなった日から仏式では四十九日、神式では五十日、キリスト教であれば一か月後の召天記念日または五十日祭まで、「喪中」は宗派を問わず一年間とされる事が多いようです。
喪中・忌中となる続柄の範囲は
親族が亡くなった時、どこまでの続柄を喪中・忌中と考えるべきでしょうか?
一般的には2親等までが喪中になるとされますが、3親等以降は喪に服してはいけないというわけではなく、同居している親族が亡くなった場合など、縁が深い親族なら親等に関わらず喪に服してもよいと考えられます。
親等 | 自分から見た続柄 |
0親等 | 夫 妻 |
1親等 | 子供 / 父 母 / (配偶者の)父 母 |
2親等 | (自分の) 兄 弟 姉 妹 / 兄弟・姉妹の配偶者 / 祖父 祖母 / 孫 (配偶者の) 兄 弟 姉 妹 / 兄弟・姉妹の配偶者 / 祖父 祖母 |
3親等 | (自分の) 曾祖父 曾祖母 / おじ おば / おじ・おばの配偶者 / 甥 姪 (配偶者の) 曾祖父 曾祖母 / おじ おば / おじ・おばの配偶者 |
喪中・忌中の挨拶
喪中・忌中の期間は故人の冥福を祈り、晴れがましいことや派手な行動は控えます。
そのため、年始の挨拶を控える(年賀欠礼)の旨をお伝えする「喪中はがき」を送ります。
喪中はがきを、自分が喪中である事を知らせる訃報連絡と思っている方もいますが、本来は、喪中のため年始のご挨拶を控える旨をお伝えする挨拶状です。
また、喪中・忌中でも年賀状を受け取るのは、先方からの年始の挨拶を受け取るという意味なので、マナー違反ではありません。
喪中はがきはいつだすの?いつまでだせるの?
喪中はがきは、先方が年賀状をご用意する11月~12月初旬頃までに届くように出すのがマナーです。
とくに、先方が年賀状をポストに投函した後に喪中はがきが届くと気にされる方もいますので、注意しましょう。
喪中はがきの文例・例文
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年〇月 母〇〇が永眠いたしました
ここに本年中賜りました ご厚情を深謝いたすと共に 明年も相変わらぬご厚誼のほどをお願い申し上げます
(相手がすでに年賀状を投函した後かもと不安なとき)喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年〇月 母〇〇が永眠いたしました
ここに本年中賜りました ご厚情を深謝いたすと共に 明年も相変わらぬご厚誼のほどをお願い申し上げます
皆さまからの年賀状は励みにもなりますので どうぞ例年どおり近況をお知らせください
喪中はがきの時期を過ぎたら
12月初旬までに喪中はがきが出せなかった方や、11月下旬~12月に親族が亡くなった方は、慌てて喪中はがきをご用意せずに、寒中見舞いで年始のご挨拶を控えた旨をお伝えすると良いでしょう。
寒中見舞いは、松の内が明けた1月8日~節分の前2月2日までに出しましょう。
離れて暮らしていた方や高齢な親が亡くなった場合、その方の交友関係を詳細に把握していないため、誰に喪中はがきを送ればよいか分からない事があります。
その場合は、一旦先方の年賀状を受け取ってから寒中見舞いでご挨拶すると良いでしょう。
寒中見舞いの文例・例文
寒中お見舞い申し上げます
昨年〇月 母〇〇が永眠いたしました
服喪中につき 新年のご挨拶を失礼させていただきました
寒さ厳しい折柄一層ご自愛のほど お祈り申し上げます
寒中お見舞い申し上げます
年頭にはお心のこもった年賀状をいただき誠にありがとうございました
昨年〇月 母〇〇が永眠いたしました
年の瀬のことでご連絡が遅れましたことをお詫び申し上げます
寒さ厳しい折柄皆様どうぞご自愛の上お過ごしください