葬儀

葬儀費用の平均はいくら? 相場と本当の総額を知る方法を紹介

葬儀費用の相場はいくら? 平均費用と本当の総額を知る方法を紹介

葬儀費用は、相場がいくらなのか分かりにくいものです。葬儀を取り仕切ることは、人生の中でそうあることではありません。また、葬儀の内容をおおっぴらに語る方も少ないからです。そのため、葬儀社に葬儀費用の総額を聞いても、高いのか、安いのかわからず、不安を感じる方は多くいらっしゃいます。
そこで、アンケート調査によって明らかになった、葬儀費用の相場を紹介します。続いて、葬儀費用に含まれているものを解説し、さらに本当に葬儀でいくらかからのか、その総額を知る方法も併せて説明します。この方法をもとにすれば、葬儀社が提示する葬儀費用が高いのか、安いのかが必ずわかります。
葬儀で本当にいくらかかるのか、葬儀費用が高いのか安いのか、すぐに知りたい方は「葬儀で本当にいくらかかるのかを知るためにやっておくべきこと」をご覧ください。

葬儀費用の相場とその内訳

葬儀費用の相場を知るために、まずは日本消費者協会と、葬儀の情報を発信する鎌倉新書、それぞれのアンケート調査の結果を紹介します。

葬儀費用の相場は195万円? それとも178万円?

日本消費者協会が2017年に発表したアンケート調査によると、葬儀費用の平均は195.7万円です。一方、鎌倉新書が2017年に発表したアンケート調査によると、葬儀費用の平均は178.2万円です。ふたつの調査で分かった葬儀費用の平均には、約17万円の開きがあります。
また、鎌倉新書のアンケート調査では、葬儀の種類ごとに葬儀費用の平均も出しています。家族葬の平均費用は91.1万円、一般葬の平均費用は145.9万円でした。このように、アンケート調査によって葬儀費用の平均は変わりますし、葬儀の種類によっても葬儀費用の平均は変わります。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。

葬儀費用の相場が、調査によって違う理由

葬儀費用の平均がアンケート調査によって変わるのは、2つの理由があります。1つ目の理由は、当たり前ですが、回答した方が違うからです。2つ目の理由は、調査によって葬儀費用に含まれている項目が違うからです。
そもそも、葬儀費用には、どのような項目が含まれているのでしょうか? 葬儀費用の内訳を大きく分けると、次の3つに分類されます。
・葬儀一式費用:葬儀で使用する道具や設備を含む費用
・接待費用:参列者ために用意する料理や返礼品の費用
・お布施:僧侶に渡すお礼の費用
日本消費者協会が発表した葬儀費用の平均は、葬儀一式費用、接待費用、お布施をすべて含んだ費用です。一方、鎌倉新書が発表した葬儀費用の平均は、葬儀一式費用と接待費用だけで、お布施は含んでいません。このように、葬儀費用の内訳に何が含まれているかによって、葬儀費用の平均は大きく変わります。

葬儀の種類によって平均、参列者の人数や必要な項目が違うから

次に、葬儀の種類によって、葬儀費用の平均が違う理由を説明します。
その理由とは、葬儀の種類によって、使用する設備や参列者の人数が変わるためです。
家族葬は、家族や親族など親しい方だけで故人とお別れをする葬儀です。家族葬の参列者は家族や親族が中心なので、多くても30人ほどの料理や返礼品を用意するだけです。また、葬儀専用の施設、斎場・葬儀場を使用しても、使用料が安い小さな式場で行うことができます。
一般葬は、会社関係やご近所の方など一般の方が参列する葬儀で、参列者が500人を超えることもあります。そうなれば、斎場・葬儀場の中でも、大きな式場が必要になります。そのため、接待費はもちろん、斎場・葬儀場の使用料も家族葬に比べて高くなります。
アンケート調査では、直葬の平均費用は調査されていないので分かりません。しかし、家族葬や一般葬よりも、葬儀費用の平均は低くなります。なぜなら、お通夜や葬儀・告別式を行わない、火葬だけで故人を見送る直葬は、斎場・葬儀場の使用料がかからないからです。火葬だけのお別れなので、接待費用はかかりませんし、お布施もかからないことも、葬儀費用の平均が低い理由です。

葬儀費用の相場と内訳のまとめ

葬儀費用の相場と内訳のまとめ  葬儀費用の相場は、調査方法によって異なる   葬儀費用の相場は、葬儀の種類によっても異なる 葬儀費用の相場は、安い順に直葬<家族葬<ー般葬となる

葬儀で本当にいくらかかるのかを知るためにやっておくべきこと

これまで紹介したのは、あくまでも葬儀費用の相場です。あなたが行う葬儀が、相場よりも高くなる可能性もあれば、低くなる可能性もあります。なぜなら、条件の組み合わせによって、葬儀費用の総額は変わるからです。
それでは、葬儀で本当にいくらかかるのか、総額を知るためにはどうしたらいいのでしょうか。それは、葬儀社に見積もりを依頼することです。ここでは、葬儀社から見積もりを取るコツを紹介します。

複数の葬儀社に見積もりを依頼する

葬儀社に見積もりを依頼するときは、最低でも2社に連絡しましょう。
その理由は、葬儀社ごとに用意している葬儀プランも、含まれている項目も違うからです。さらに、含まれている項目の値段も、葬儀社によって違うからです。最近では減ってきましたが、見積もりを出さない葬儀社もあるので、そうした葬儀社は候補から外しましょう。葬儀社の見積もりを比較するためには、見積もりの条件を整える必要があります。どうやって条件を整えるのか、その方法を紹介します。

葬儀の種類を決める

まずは、葬儀の種類を決めましょう。
費用を抑えて、質素に送りたいのであれば直葬、家族や親族など親しい方だけで送りたいのでれば家族葬、お世話になった方といっしょに送りたいのであれば一般葬を選びましょう。直葬や家族葬を選ぶ際は、事前に家族や親族に知らせておきましょう。お通夜や葬儀・告別式を行わない直葬や、家族や親族だけで見送る家族葬に、理解を示さない方がいた場合にもめごとになるからです。

葬儀の参列者の人数を決める

葬儀の種類が決まれば、参列者の内訳も見えてきます。
直葬や家族葬であれば、家族や親族の人数で、おおよその見当をつけることができます。会社関係や近所の方などが参列する一般葬は、どこまで葬儀の情報が伝わるかわからないため、参列者の人数は見当がつかないものです。まずは見積もりを取るために、厳密に考えず、おおよその人数で決めましょう。

葬儀の宗教を決める

次に、どの宗教で葬儀を行うのかを決めましょう。
主な宗教の種類は、仏教、神道、キリスト教、無宗教の4つです。どの宗教も信仰していない方は、今では自由に宗教を選び、その宗教の儀式に則った葬儀を行うことができます。ただし、「自分は仏教徒ではない」という方でも、菩提寺がある方は、仏教で葬儀を行わなければなりません。お寺にお墓がある方は、お寺が菩提寺かどうか連絡して確認しましょう。

葬儀を行う場所を決める

葬儀を行う場所は、かつては自宅が当たり前でしたが、最近では斎場・葬儀場が選ばれています。
斎場・葬儀場で葬儀を行う場合、施設によって使用料が変わります。どの斎場・葬儀場を選べばいいのかわからない方は、自宅の近場から選ぶのが無難です。インターネットで検索することで、自宅の近所にある斎場・葬儀場を見つけることができます。検索する際は、「●●(自宅のある地域名)」といっしょに、「斎場」または「葬儀場」と入力しましょう。

葬儀費用の本当の費用を知る方法のまとめ

葬儀費用の本当の費用を知る方法のまとめ  葬儀社に見積もりを依頼する  見積もりは最低でも2社に依頼する 見積もりを依頼するときは、条件を揃える  条件を揃えるために、葬儀の種類、宗教、場所、参列者の人数 を決める

葬儀費用が高いか安いかを判断する基準

葬儀費用が高いか安いかを判断する基準のひとつは、葬儀費用の相場と見積もりを比べることです。しかし、葬儀費用は、あなたが考える葬儀の種類や参列者の人数、宗教や場所によって変わります。葬儀費用が高いか安いかを判断するもうひとつの基準は、同じ条件で葬儀社から見積もりを取って比べることです。
故人がまだ亡くなっていないのに、葬儀の見積もりを取ることに、「縁起が悪い」「失礼だ」と考える方もいるでしょう。しかし、いざその時になると、冷静に考えることは難しいものです。今は、電話ではなく、メールで葬儀社に要望を伝え、見積もりを送ってもらうことができます。葬儀社に聞いた葬儀費用の総額が高いのか安いのか判断できない。そんなことになる前に、葬儀について考え、見積もりを取り寄せてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
桑原 侑希
桑原 侑希 大手葬儀社にて、10年以上葬儀業に従事し約2000件の葬儀を行ってきました。葬儀のことは勿論、ご葬儀までの終活の相談や、葬儀が終わった後のご供養方法、各種手続きについての相談を受ける内に、その道のエキスパートに。皆さんの葬儀・終活にまつわる「なぜ?」にお答えします。
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